2222年の工業技術と物質循環

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【対象明示】この記事は、浮遊島(空島人)を主語とした説明です。地上(地上人)については、本記事では扱いません。

はじめに

2222年の工業技術の到達点

2222年の工業は「原子~分子レベルまで分解・抽出・再資源化できる」段階に到達しています。

ただし設備は巨大・高コスト・高リスクで、誰でも扱える技術ではありません。


家庭には普及していない技術

2222年時点では、アトミックレーターやアトミックセパレーターは工業用の巨大で精密な機器であり、一般家庭には普及していません。

家庭で物を作る技術が普及するのは、さらに先の未来になります。


物質の階層構造

化合物 → 分子 → 原子 → 素粒子 → スタタ(STT)

物質の最小単位についての理解が素粒子以下の構造まで進んでいます。

階層説明
化合物複数の元素が結合したもの(例:水、食塩、砂糖)
分子化学的に意味のある最小単位
原子元素の最小単位
素粒子クォーク、レプトンなどで構成される
スタタ(STT)素粒子のさらに下位の構造

スタタ(STT)の発見

素粒子のさらに下の階層が、学術表記でSTT(Suzuki–Takahashi–Tanaka)、通称スタタと呼ばれています。

鈴木・高橋・田中という日本名の研究者3名の共同研究によって発見されました。

スタタのさらに下の階層については現在も研究中です。


分子(118種)は「大雑把な分類」

かつて人類は、物質を説明するうえで「分子」をほぼ最小単位のように扱っていました。やがて原子・原子核・電子の理解が進み、さらに素粒子が発見されたことで、「分子=最小」という見方は過去のものになります。

そして2222年には、素粒子のさらに下位構造としてスタタ(STT)が確立され、物質の設計・解析はSTT階層で語られるのが標準になりました。そのため2222年の感覚では、分子という単位は「日常向けの便宜的な区分」にすぎず、精密な議論では大雑把な分類として扱われています。


アトミックレーター(分子抽出物質再構築機)

正式名称と通称

項目内容
正式名称(漢字圏)分子抽出物質再構築機
正式名称(英語)Molecular Extraction Material Reconstructor
通称アトミックレーター

仕組み

アトミックレーターは、原子~分子レベルから物質を組み立てる装置です。

21世紀初頭の3Dプリンターのように層ごとに組み立てていく仕組みのため、生きた細胞を再現することはできません。


21世紀初頭の3Dプリンターとの比較

項目21世紀初頭の3Dプリンター2222年のアトミックレーター
材料主に樹脂、金属・樹脂(レジン)・ナイロン粉末など原料タンク(化合物タンク、元素タンクなど)
時間複雑なものは数時間〜数日かかる数分〜数十分
設計図3Dデータ(STL等)+スライサ設定が必要設計図が必要
精度積層痕が残る原子~分子レベルで組み立て

2222年時点では工業用の巨大で精密な機器

2222年時点では、アトミックレーターは工業用の巨大で精密な機器であり、高コストです。

一般家庭には普及していません。


アトミックセパレーター(分子抽出分離機)

正式名称と通称

項目内容
正式名称(漢字圏)分子抽出分離機
正式名称(英語)Molecular Extraction Separator
通称アトミックセパレーター

仕組み

アトミックセパレーターは、物質を原子~分子レベルまで分解・分離し、目的の成分だけを抽出する装置です。

廃棄物処理・資源循環・配給原料の精製の要となっています。


多様な原料

アトミックセパレーターには、多様な原料を投入できます。

原料の例:

  • 糞尿
  • 海水
  • 大量発生昆虫
  • キメラ由来バイオマス
  • 廃プラスチック
  • 金属くず
  • 古い衣服
  • 食べ残し
  • 生ゴミ
  • 一部の下水・汚水
  • その他各種廃棄物

基本プロセス

段階内容
1. 分解物質を原子~分子レベルまで分解
2. 分類元素ごとに分類(炭素、水素、鉄など)
3. 精製再利用可能な純度まで精製
4. ストック原料タンク用の原料としてストック

原料タンク

原料タンクとは

原料タンクは、アトミックレーターで物を作る際の原料として使われます。

アトミックレーターは、原料タンクから炭素、水素、鉄などを取り出し、それらを組み立てて物を作ります。


様々な種類のタンク

元素タンク以外にも、化合物タンク、用途別に作られた混合物タンクなど様々なタンクが存在します。

タンクの種類説明
元素タンク元素単体を貯蔵
化合物タンク安定した化合物を貯蔵
混合物タンク用途別に作られた混合物を貯蔵

化合物タンク

化合物タンクは、安定した化合物を貯蔵するタンクです。


元素タンク

元素タンクは、元素単体を貯蔵するタンクです。

元素単体は大量に集めると危険

ほとんどの元素は、その元素だけを大量に集めると一般人が扱うには危険な物質になります。

例えば、食塩(NaCl)なら一般家庭にたくさんあっても、一度に大量に食べるとかしない限り問題ありません。しかし、Na(ナトリウム)とCl(塩素)それぞれで大量に入ってるタンクは危険すぎます。

工業浮遊島で使える元素タンク

工業や研究開発では同じ元素を大量に使う場面が多く、工業浮遊島では元素タンクが使われます。

工業浮遊島で使える元素は88元素です。

地下無人研究エリアでのみ使える元素タンク

以下の30元素は、地上にある地下100mに作られている無人研究エリアでのみ使用できます。

地下無人研究エリアでのみ使える元素(30元素):

  • U ウラン
  • Np ネプツニウム
  • Pu プルトニウム
  • Am アメリシウム
  • Cm キュリウム
  • Ra ラジウム
  • Po ポロニウム
  • Fr フランシウム
  • Ac アクチニウム
  • Bk バークリウム
  • Cf カリホルニウム
  • Es アインスタイニウム
  • Fm フェルミウム
  • Md メンデレビウム
  • No ノーベリウム
  • Lr ローレンシウム
  • Rf ラザホージウム
  • Db ドブニウム
  • Sg シーボーギウム
  • Bh ボーリウム
  • Hs ハッシウム
  • Mt マイトネリウム
  • Ds ダームスタチウム
  • Rg レントゲニウム
  • Cn コペルニシウム
  • Nh ニホニウム
  • Fl フレロビウム
  • Mc モスコビウム
  • Lv リバモリウム
  • Ts テネシン
  • Og オガネソン

工業浮遊島

工業浮遊島とは

工業浮遊島は、いろんなものを製造したい人たちが集まっている場所です。

ただし、実際に島に行く人は少数派です。


誰が活動しているか

組単位で主に活動する場所です。

組は、許可されている元素タンクや化合物タンクを使用できます。


遠隔操作が主流

多くの人は自宅など安全な場所にいながら、ロボットやカメラを遠隔操作して作業を行っています。
手先の細かな作業も、精密な遠隔操作用ロボット義手によって問題なく対応できます。

そのため、工業事故などの危険がある現場へ、人が直接向かう必要はほとんどありません。

一方で、遠隔操作が苦手な人や、昔ながらの職人気質の人の中には「自分で行ったほうが早い」と考え、現地へ行って作業する人もいます。
ただし、このような利用方法は少数派となっています。


アトミックレーターとアトミックセパレーターを扱える組や個人の制限

許可・認定・監査・技術講習が厳格に行われています。

誤用・悪用で危険物を作れてしまう可能性があるためです。


地下無人研究エリア

地下100mの無人研究施設

地上の生体が少ない地域の地下100mに、無人研究エリアが設置されています。


何が研究されているか

放射性物質、ウイルス、キメラの研究、その他問題発生時には地下への封入が必要な物質が扱われています。


無人で遠隔ロボ操作のみ

この研究エリアは無人で、すべて遠隔ロボ操作のみで行われます。


危険物質を含む廃棄物は地下1,000mに埋設

研究開発で出た危険物質を含む廃棄物は、さらに900m下、つまり地下1,000mに埋められます。


物質循環システム

アトミックセパレーターによるリサイクル

アトミックセパレーターは、使用済みの物質を原子~分子単位まで分解し、原料タンク用の原料に戻します。


規格原料・規格素材の製造

多くの一般製品は、この工業側インフラが作る「規格原料」や「規格素材」に依存します。

工業浮遊島では、食・医療・素材の「規格原料」を大量生産する上流装置として機能しています。


「ゴミ」という概念がほぼ消えた

アトミックレーターとアトミックセパレーターのループにより、2222年では「ゴミ」という概念がほぼ消えました。


アトミックレーターで再現できるもの・できないもの

再現できるもの

アトミックレーターで再現できるのは、以下のものです。

死んだ状態の生物

細胞が死んでいる状態の生物は再現できます。

非生物

無機物や工業製品は高精度に再現でき、一般人には見分けがつきません。

食べ物の例:

  • ハンバーグ
  • アイス
  • スープ
  • 焼き魚
  • ステーキ
  • 加熱済み加工食品

再現できないもの

アトミックレーターで再現できないのは、生きている状態の生物です。

生きている状態の生物

アトミックレーターは21世紀初頭の3Dプリンターの延長で、層ごとに組み立てていくだけです。

そのため、生体は一切作れません。

食べ物の例:

  • 納豆
  • キムチ
  • 生野菜
  • 生のフルーツ
  • チーズ
  • 漬物
  • 発酵食品
  • 生きた微生物・菌・酵母
  • 生きた植物
  • 生きた種子

「形は作れるけど」の意味

アトミックレーターで納豆やキムチのは作れますが、生きた菌が含まれていないため、発酵しません。

見た目は同じですが、本物とは違います。


調理工程で細胞が死滅・変性する料理

焼く・煮る・揚げるなど、調理工程で細胞が死滅・変性する料理については、アトミックレーターでも本物とほぼ遜色ない味や食感で再現可能です。

工業地帯のアトミックレーターで大量生産された飲食物も、自然な食べ物と比べかなり低コストで流通しています。

一方、生野菜や刺身、発酵途中の食品など、細胞が生きた状態で食べることを前提とする料理については、分子構造が再現されていても食感や風味に違和感を覚える人が多いです。


色・見た目の再現について

色・質感・透明度は、分子構造・結晶構造・光学特性を再現することで再現可能です。

ニンジンのオレンジ色、肉の赤、野菜の緑などは、生きているかどうかとは無関係です。

見た目が本物でも「生理反応を起こす生体ではない」です。


まとめ

2222年の工業は「原子~分子レベルまで分解・抽出・再資源化できる」段階に到達しています。

アトミックレーター(分子抽出物質再構築機)とアトミックセパレーター(分子抽出分離機)が中核設備です。

ただし、2222年時点では工業用の巨大で精密な機器であり、一般家庭には普及していません。

物質の階層は、化合物 → 分子 → 原子 → 素粒子 → スタタ(STT)です。素粒子のさらに下の階層であるスタタは、日本人研究者3名の共同研究によって発見されました。

原料タンクには、元素タンク、化合物タンク、用途別に作られた混合物タンクなど様々な種類が存在します。

元素タンクは、工業浮遊島で使える88元素と、地下無人研究エリアでのみ使える30元素(放射性元素)に分かれています。

工業浮遊島では、組単位で活動しており、ほとんどの人は自宅にいてロボやカメラを遠隔操作しています。

アトミックセパレーターによるリサイクルと、アトミックレーターによる再構築のループにより、「ゴミ」という概念がほぼ消えました。

アトミックレーターで再現できるのは、死んだ状態の生物と非生物です。生きている状態の生物は再現できません。


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