
はじめに
元素タンクとは?
元素タンクは、レプリケーターで物を作る際の原料として使われます。
レプリケーターは、元素タンクから炭素、水素、鉄などの元素を取り出し、それらを組み立てて物を作ります。
また、リサイクラーは、使用済みの物質を元素単位まで分解し、元素タンク用の原料に戻します。
レプリケーターとリサイクラーについて詳しくは、「2222年のレプリケーターとリサイクラー」の記事を参照してください。
元素タンクは、プリンターのインクカートリッジのようなもので、炭素、水素、鉄などの元素を高密度で貯蔵しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定義 | レプリケーターが吸い上げる原料カートリッジ |
| 中身 | 元素や単純分子(炭素、水素、鉄など)を高密度で貯蔵 |
| 比喩 | プリンターのインクカートリッジ |
| 危険性 | 技術的に危険(高圧・毒性・高エネルギー状態)なものも含むため、製造や交換などはロボットが自立稼働、またはロボットを人間が遠隔操作で行う |
なぜ元素タンクを種類分けする必要があるのか?
元素タンクは、安全性によって3つの種類に分けられています。
なぜ種類分けが必要? → 単体で危険な元素、組み合わせることで危険な物質になる元素があるためです。
危険度の高い元素ほど、取り扱うにはより専門的な技術と設備が必要になります。
元素タンクの利用区分
共通前提
判定基準は「住宅街で元素タンクが破損し、元素が空気・水・周囲物質と接触した場合」です。
容器・制御技術の進歩は事故発生確率を下げるのみであり、元素固有の毒性・反応性・放射性は変化しません。
判断に迷う場合は、より危険な区分へ分類します。
1. 個人利用可能元素(13元素)
条件(すべて満たすもののみ):
- 人体必須元素である
- 常温常圧で揮発・拡散による急性毒性を持たない
- 空気・水と接触しても短時間で致死・重篤被害を引き起こさない
- 混合しても猛毒ガス・爆発的反応を起こさない
👉 「壊れても、その場にいる人が即死しない元素」
該当元素(13元素):
- H 水素
- C 炭素
- N 窒素
- O 酸素
- P リン
- S 硫黄
- Na ナトリウム
- K カリウム
- Ca カルシウム
- Mg マグネシウム
- Fe 鉄
- Cu 銅
- Zn 亜鉛
このタンクで作れるものの例
食べ物・飲み物:
- ご飯、パン、麺類(うどん、そば、パスタなど)
- ハンバーグ、ステーキ、焼き魚
- カレー、シチュー、スープ
- サラダ(※細胞は死んでいる状態)
- 果物(※細胞は死んでいる状態)
- 水、お茶、ジュース
- 砂糖
※ 火を通す・加工済みの料理は、本物と区別できないレベルで再現可能
衣類:
- 綿・麻などの天然繊維の服
- Tシャツ、ズボン、靴下
- 着物、下着、タオル
日用品:
- 紙、ノート、ティッシュペーパー
- 鉄製品(包丁、フライパン、鍋)
- 銅製品(銅線、簡易な銅容器)
- プラスチック製品
家具・素材:
- 木製のテーブル、椅子、本棚
- 各種木材(見た目・硬さ・香りを再現した人工木材)
作れないもの(個人利用では不可):
- ガラス製品(Si ケイ素が必要)
- 陶器(Al, Si などが必要)
- 塩(Cl 塩素が必要、塩素は特殊元素)
- 電子機器(スマートフォン等)
- 生きた植物・微生物を含む土壌
2. 組利用可能元素(59元素)
条件:
- 人体必須ではない、または必須だが反応性・毒性を持つ
- 単体・混合時に危険性はあるが、住宅街レベルの封じ込め・換気・回収で被害を局所化できる
- 揮発・拡散しても「即広域致死」には至らない
👉 「専門管理があれば住宅街で事故対応できる元素」
該当元素(59元素):
- He ヘリウム
- Ne ネオン
- Ar アルゴン
- Kr クリプトン
- Xe キセノン
- Li リチウム
- Rb ルビジウム
- Sr ストロンチウム
- Ba バリウム
- B ホウ素
- Si ケイ素
- Ge ゲルマニウム
- Se セレン
- Al アルミニウム
- Ga ガリウム
- In インジウム
- Sn スズ
- Sb アンチモン
- Te テルル
- I ヨウ素
- Pb 鉛
- Bi ビスマス
- Sc スカンジウム
- Ti チタン
- V バナジウム
- Cr クロム
- Mn マンガン
- Co コバルト
- Ni ニッケル
- Y イットリウム
- Zr ジルコニウム
- Nb ニオブ
- Mo モリブデン
- Ru ルテニウム
- Rh ロジウム
- Pd パラジウム
- Ag 銀
- Cd カドミウム
- Hf ハフニウム
- Ta タンタル
- W タングステン
- Re レニウム
- Ir イリジウム
- Pt 白金
- Au 金
- La ランタン
- Ce セリウム
- Pr プラセオジム
- Nd ネオジム
- Sm サマリウム
- Eu ユウロピウム
- Gd ガドリニウム
- Tb テルビウム
- Dy ジスプロシウム
- Ho ホルミウム
- Er エルビウム
- Tm ツリウム
- Yb イッテルビウム
- Lu ルテチウム
このタンクで作れるものの例
個人利用可能元素タンクで作れるもの全て、加えて:
高性能製品:
- ステンレス製品(Cr クロム、Ni ニッケル使用)
- LEDライト(希土類元素使用)
- 高性能磁石(Nd ネオジム、Dy ジスプロシウム使用)
- 金・銀・プラチナ製品
- ガラス製品(Si ケイ素使用)
- 陶器(Al アルミニウム、Si ケイ素使用)
- 精密機械部品
電子・工業製品:
- 半導体の一部部品(※高純度管理前提)
- 高性能触媒
- 組用レプリケーターで製造される電子部品
※ 個人宅ではなく「組の管理施設」でのみ製造
3. 特殊元素(46元素)
以下のいずれか1つでも該当したら即区分3:
- 安定同位体を持たない(放射性元素)
- 常温で強い毒性ガス・腐食性ガスを形成
- 微量で致死的な急性毒性を持つ
- 揮発・拡散により住宅街での事故制御が成立しない
- 物質として安定に存在しない、または極短寿命
- 上記1・2に明確に当てはまらない
👉 「人が住む場所で扱う前提が成立しない元素」
化学的理由による特殊元素(9):
- Be ベリリウム
- F フッ素
- Cl 塩素
- As ヒ素
- Br 臭素
- Cs セシウム
- Os オスミウム
- Hg 水銀
- Tl タリウム
放射性元素(安定同位体なし・37):
- Tc テクネチウム
- Pm プロメチウム
- Po ポロニウム
- At アスタチン
- Rn ラドン
- Fr フランシウム
- Ra ラジウム
- Ac アクチニウム
- Th トリウム
- Pa プロトアクチニウム
- U ウラン
- Np ネプツニウム
- Pu プルトニウム
- Am アメリシウム
- Cm キュリウム
- Bk バークリウム
- Cf カリホルニウム
- Es アインスタイニウム
- Fm フェルミウム
- Md メンデレビウム
- No ノーベリウム
- Lr ローレンシウム
- Rf ラザホージウム
- Db ドブニウム
- Sg シーボーギウム
- Bh ボーリウム
- Hs ハッシウム
- Mt マイトネリウム
- Ds ダームスタチウム
- Rg レントゲニウム
- Cn コペルニシウム
- Nh ニホニウム
- Fl フレロビウム
- Mc モスコビウム
- Lv リバモリウム
- Ts テネシン
- Og オガネソン
このタンクで作れるものの例
個人利用可能元素(13)+組利用可能元素(59)+特殊元素(46)の組み合わせで作れるもの
主な用途分野:
- ナノマシン
- 特殊薬品・高反応性物質
- 精密ロボットの中枢部
- 宇宙機器・原子力関連技術
- 医療用義体・延命装置
注意:
- 全タンク個別ID管理
- 使用履歴完全追跡
- 地球中央連邦および認定研究機関専用
元素タンクの3種類の比較
| 項目 | 個人利用可能元素タンク | 組利用可能元素タンク | 特殊元素タンク |
|---|---|---|---|
| 対象 | 全市民 | 認定された組と地球中央連邦のみ | 地球中央連邦・認定研究機関専用 |
| 入手方法 | オンラインまたはSOTOの実店舗 | 組同士で取引 | 認定研究機関内で製造・管理 |
| 主な使用機器 | 個人用レプリケーター | 組用レプリケーター | 特殊レプリケーター |
| 保管場所 | 各家庭や共有部など | 組の管理施設 | 研究開発専用の浮遊島 |
| タンク追跡・監視 | なし | なし | すべてのタンクに個別ID・移動履歴・使用ログが紐付け。完全追跡可能。 |
| 利用可能元素数 | 13 | 72 | 118 |
補足説明:
個人利用可能元素タンク及び組利用可能元素タンクは、事故時に被害を局所化・回収できる性質のものに限定されているため、タンク単位での常時追跡は行われていません。
タンク経済
元素タンク製造を担う組は、21世紀初頭の電力組・ガス組・ゴミ処理組を合わせたようなポジションです。
| 収益源 | 内容 |
|---|---|
| タンクの販売・レンタル | 個人利用可能元素タンク(一般向け)、組利用可能元素タンク(組向け) |
| 高純度タンクの高価格帯ライン | 医療用・ハイテク産業用の特殊タンク |
まとめ
2222年の元素タンクは、安全性によって個人利用可能元素タンク(13元素)、組利用可能元素タンク(72元素)、特殊元素タンク(118元素)の3種類に分類されています。使える元素の種類によって、作れるものが大きく変わります。
個人利用可能元素だけでは、ガラス製品や陶器、塩などは作れません。個人利用可能元素タンク及び組利用可能元素タンクは、事故時に被害を局所化・回収できる性質のものに限定されているため、タンク単位での常時追跡は行われていません。一方、特殊元素タンクは全タンク完全追跡可能な状態で管理されています。
2222年の地球では、元素タンクの便利さと安全性のバランスを保つため、様々な仕組みが導入されています。


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