はじめに:完全デジタル通貨

2222年、現金は存在しません。紙幣も硬貨もない。
すべてがデジタル通貨「ポヌ(Ponu)」で決済されます。
通貨システムの基本
通貨名:ポヌ(Ponu)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 通貨名 | ポヌ(Ponu) |
| 形態 | 完全デジタル通貨 |
| 物理的な形 | 存在しない(紙幣・硬貨なし) |
管理主体
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 管理主体 | 地球中央連邦のLv4 HB-AI |
| 管理方法 | 自動的に管理・決済 |
※HB-AIについては「2222年の人工知能」の記事を参照してください。
なぜ「ポヌ」という統一通貨になったのか
背景
2100年代、地球環境の変化と異星人との交流により、「国」という単位が消滅しました。
その結果、各国の通貨(円、ドル、ユーロなど)も統合される必要が生じました。
統合の理由
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 異星人との取引 | 各島(旧国家)ごとに通貨が違うと、異星人との貿易が複雑すぎる |
| 浮遊島間の移動 | 人々が島から島へ自由に移動するため、統一通貨が必要 |
| 為替リスクの排除 | 通貨が一つなら、為替変動のリスクがない |
支払い・認証システム
どうやって支払う?
デジタルデバイス/脳チップ/ファムなど、個人コードと紐付けられているHB-AIデバイスなどを利用します。
どのデバイスも特別な動作なしで購入が決まると自動でHB-AIが精算します。
例:飲食店での支払い
- 手持ちのデバイス側で店舗のメニュー情報を確認
- 注文する
- 自動で精算
二重価格制:基本価格+チップ
価格の構造
2222年の価格は、基本価格(ベースプライス)とチップ(上乗せ)の二重構造になっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 基本価格(ベースプライス) | 商品やサービスの基本的な価格 |
| チップ(上乗せ) | 基本価格に上乗せする任意の金額 |
レプリケーター設計図の価格設定
レプリケーター用の設計図を販売する際、複数の人工知能が審査、最終的な価格設定提案はONIYOMEが決めます。
販売者(個人または組)は、ONIYOME提案の価格を参考に最終的な価格を決定します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 販売者 | 個人または組 |
| 初期価格の決定 | ONIYOMEが審査の上で初期価格を提案 |
| 最終価格の決定 | 販売者本人がONIYOME提案の価格を参考に決める |
| 価格差の審査 | 提案価格より2倍以上の価格差で販売したい場合は別途審査が必要 |
チップの推奨額
支払い側がチップを払う際、HB-AIが相場を計算した上で推奨チップ額を提案します。
デバイス経由で簡単に支払えるため、気軽に感謝の気持ちを示せます。
組の支払い
組が誰かに依頼した場合、組の資金からチップも代金も支払います。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 支払い元 | 組の資金 |
| 支払い内容 | 代金 + チップ |
オンラインとオフラインでの価格設定の違い
オンライン(NAKA・設計図販売など)
設計図などオンライン上に登録されるものはONIYOMEのチェックが入ります。
オフライン(SOTOでの直接取引)
SOTOでオフラインでの売買は自由です。
SOTOでのオフライン状況下では、価格は自由に高くも設定でき、誇大広告も価格競争も残っている地域もあります。
マーケティングの変化

宣伝活動
個人や組の商品・サービスを宣伝する活動はあります。
デジタル広告
広告費を個人または組に支払って、主に人工知能が最適化します。
アナログ広告
デジタルが発達して逆に、アナログな手書きのチラシや販促物も地域によって人気です。
手書き販促物作りが得意な個人や組に依頼する文化もあります。
ベーシック保障システム
当初の目的
ベーシックインカム、栄養食配給は、「飢えない・凍えない・治療を受けられる」ための制度として設計されました。
想定外の発展
しかし、以下の技術発展により、想定外の展開が起きました。
- レプリケーターの高度化
- NAKAの無料娯楽の拡充
- NAKA利用者向け格安住居の普及
結果
特にNAKA中心で暮らす層は、働かなくても生活が成立する状態が自然発生的に完成しました。
物質面の最低保障
すべての浮遊島市民には、生存に必要なものが保障されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 栄養食と水 | 標準レベルのレプリケーターと一定量の元素タンク(原料)が提供される |
| 衣服 | 標準レベルのレプリケーターで作成可能 |
| 医療 | KYUMEIが基本的な医療を無償提供(風邪、怪我などの治療) |
| 保証レベル | 飢えない・凍えない・治療を受けられるラインを完全保証 |
補足:「最低限」とは?
- 栄養食:味は悪くないが、レストランの料理ほどではない
- 衣服:機能的だが、ファッション性は低い
金銭的支給:月2万ポヌ
物質的な最低限に加えて、月あたり2万ポヌの生活費が支給されます。
2万ポヌで何ができる?
例:月2万ポヌの使い道
| 項目 | 金額 | 残額 |
|---|---|---|
| 簡素な住居(カプセルホテルタイプ) | 約5,000ポヌ | 15,000ポヌ |
| 趣味・娯楽 | 約5,000ポヌ | 10,000ポヌ |
| ちょっとした贅沢 | 約3,000ポヌ | 7,000ポヌ |
| 貯金 | 約7,000ポヌ | 0ポヌ |
住居について
住居は無償提供されません。
支給された2万ポヌを使って、自分で住むところを選んで支払います。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 一番安い住居 | 1人用のカプセルホテルタイプで5,000ポヌ程度 |
| 選択の自由 | 自分で好きな住居を選べる |
| 支払い方法 | 月2万ポヌから支払う |
労働の実態
2222年時点の労働参加の内訳(概算)
| 労働状況 | 割合 |
|---|---|
| 完全ゼロ労働 | 4割 |
| 趣味・興味の延長としての参加 | 4割 |
| お金目的(職業としての労働) | 2割 |
制度見直しについて
ベーシックインカム縮小・見直し案は過去に複数回検討されました。
いずれもトーナメント制投票で否決されています。
有事との関連
後年、有事(黒雲問題)が発生した際、この制度設計について再評価の声が上がるきっかけとなりました。
※黒雲問題については「2222年の黒雲と黒影体」の記事を参照してください。
課税制度:資産累進課税
基本方針
2222年の税制は、現代とまったく違います。
「売買・所得には課税しない」「保有資産にだけ課税する」
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 非課税対象 | 売買・所得 |
| 課税対象 | 保有資産(ポヌ残高)のみ |
| 課税方式 | 累進課税 |
具体例
現代:
- 月給30万円をもらう → 所得税が引かれる
- 1,000円のラーメンを買う → 消費税が加算される
2222年:
- 月給30万ポヌをもらう → 所得税なし、30万ポヌがそのまま手に入る
- 1,000ポヌのラーメンを買う → 消費税なし、1,000ポヌだけ払う
- ただし、年末に保有資産が1億ポヌあると → 資産税が課される
資産累進課税の仕組み
累進課税表:
| 保有資産 | 税率 |
|---|---|
| 〜1,000万ポヌ | 0% |
| 1,000万〜1億ポヌ | 5% |
| 1億〜10億ポヌ | 15% |
| 10億ポヌ〜 | 30% |
具体例:
- 保有資産50万ポヌ → 税金0ポヌ
- 保有資産5億ポヌ → 税金約7,000万ポヌ
- 保有資産100億ポヌ → 税金約30億ポヌ
様々な立場からの意見
この制度について、様々な立場の人々が意見を述べています。
組長Aさん(SOTOの経営学に詳しい立場)の意見
「行動経済学の視点から見ると、一度与えたものを奪うことは極めて難しい。これは損失回避の心理です。ベーシックインカム縮小案が何度も否決されたのは、制度設計の問題というより、人間の本質的な心理が関係していると思います。」
異星人Bさんの意見
「なぜそこまで全員に与える必要があったのか、という素朴な疑問があります。」
天使Cさん(地球中央連邦職員)の意見
「社会は回っていたため、問題が見えにくかったという点があります。」
異星人Dさんの意見
「必要な人に限定して給付すべきだったのでは、という意見もあります。ただし、これは後知恵であることも事実です。」
その他の意見
その他にも、十人十色で様々な意見が飛び交っています。
まとめ:問いの途中にいる
この制度が成功だったのか、あるいは想定外の副作用だったのかは、立場によって意見が大きく分かれています。
2222年の人類は、いまもその問いの途中にいます。


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